動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
Print ISSN : 1344-6991
ISSN-L : 1344-6991
症例報告
膀胱移行上皮癌にHER2阻害剤とCCR4阻害剤を用いて良好な経過が得られた犬の1例
山本 充哉
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 31 巻 2 号 p. 67-70

詳細
抄録

膀胱三角部に発生した犬の移行上皮癌にヒト上皮増殖因子2(HER2)阻害剤である分子標的薬のラパチニブを使用したところ169日間の安定が得られた。200日目に増大傾向が認められた際に,ラパチニブに加えて制御性T細胞浸潤阻害薬(CCR4阻害剤)である抗ヒトモノクローナル抗体のモガムリズマブを投与したところ腫瘍が縮小し,部分寛解が得られ334日の生存が可能であった。両薬剤同時投与による副作用はVCOG-CTCAEでの食欲不振がグレード1のみであり,対処可能範囲であり,投与中の状態は非常に良好であった。

著者関連情報
© 2022 動物臨床医学
前の記事 次の記事
feedback
Top