本報では,550℃で1時間熱処理したウシ由来HApを高濃度汚染土壌に添加し,難溶化したCdの存在状態をXAFS法により解析した.その結果,以下の事柄が判明した.
1)交換態及び無機態として存在するCdは2価であり,近接原子は酸素で6配位である可能性が示された.
2)ウシ由来HApの添加によって増加した残渣画分は,HAp中のCa2+と置換したCd2+である可能性が示された.
以上から,ウシ由来HApを土壌に添加することにより,土壌中のCdがHAp中に取り込まれることで,長期的に難溶化すると推察される.