土壌サンプルから得られる蛍光スペクトルの解析により,可給態窒素,全炭素,全窒素,C/N比の推定を試みた.長野県内の畑作黒ボク土壌46点を供試し,風乾粉砕した土壌を375 nm, 392 nmのLEDで励起することで取得した蛍光スペクトルの10 nm間隔の強度の一次微分値を説明変数とし,PLS回帰分析によって各推定項目の推定モデルを構築した.構築したモデルの推定精度は決定係数とRMSEで評価した.375 nmで励起した際に得られる蛍光スペクトルの一次微分値,及び392 nmで励起した際に得られる蛍光スペクトルの一次微分値の両方を説明変数として用いた時,可給態窒素,全炭素,全窒素,C/N比において精度の高い推定モデルが得られたことから,LEDを用いた蛍光分光分析によってそれらの同時推定が迅速かつ容易に可能であることが示された.