北海道における加工用バレイショの主力品種(トヨシロ・スノーデン)を供試し農業試験場および現地圃場で窒素施肥処理を主とした試験を行い,熱水抽出性窒素に基づき規格内収量を向上させる最適窒素施肥量を算出する窒素施肥法の確立を目的とした.トヨシロ・スノーデンともに,30~60 kg ha−1の窒素増肥によってデンプン含量は有意に低下したものの低下分は0~4 g kg−1と小さく,すなわち窒素増肥がデンプン含量に与える影響は小さいと思われた.バレイショの収穫期窒素吸収量と規格内収量は密接な比例関係にあり,窒素吸収量が100~110 kg ha−1で規格内収量が頭打ちとなった.一方熱水抽出性窒素と無窒素区の窒素吸収量(収穫期)も有意な比例関係にあり,熱水抽出性窒素が約100 mg kg−1で窒素吸収量が頭打ちとなり,また前作物がテンサイの場合窒素吸収量が20~70 kg ha−1過大であった.最適窒素吸収量(収穫期)を110 kg ha−1とし熱水抽出性窒素から土壌由来の窒素吸収量を推定し,テンサイ等の前作物の違いを考慮した窒素施肥法を組み立て,得られた圃場試験データを用いてその適合性を検討したところ,熱水抽出性窒素が110 mg kg−1以上や前作がテンサイの場合,その他の要因で窒素供給量が過大な場合には適合度が十分でなかったが,全体では75%の適合度が得られ実用性は十分と考えられた.