日本土壌肥料学雑誌
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Print ISSN : 0029-0610
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水質モニタリングからみた大隅半島シラス台地における農畜産業による水環境への長期的影響
脇門 英美 上薗 一郎勝田 雅人森 清文久保田 富次郎
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2024 年 95 巻 6 号 p. 355-366

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抄録

鹿児島県大隅半島のほぼ中央に位置する笠野原と鹿屋原の両シラス台地では,農畜産業に起因する窒素負荷の影響が懸念されるなか,1980年代から地下水硝酸性窒素濃度の上昇の問題が顕在化した.本研究では,両台地における湧水・地下水と河川水の水質ならびに農畜産系の窒素発生負荷の長期的な動向を整理し,農畜産業による水環境への影響について検討した.その結果,両台地周縁の湧水の硝酸性窒素濃度は,台地における養豚業からの窒素発生負荷量の増加とともに顕著に上昇し,2000年から2010年代半ばにかけてピークを迎えた.2010年代後半以降,鹿屋原台地の代表的湧水では硝酸性窒素濃度が12.4 mg L−1から5.8 mg L−1へと急速に低下し,笠野原台地においても低下傾向が確認された.近年の硝酸性窒素濃度の急速な低下は,1999年の家畜排せつ物法の制定に基づいて2001年前後に行われた養豚ふん尿の素掘り貯留処理の廃止による窒素負荷の削減効果が大きいと考えられた.農畜産系の大きな環境負荷により地下水硝酸性窒素汚染が深刻化した大規模な畑台地地域においても,農業環境対策の着実な実施によって,水環境を確実に改善できることが示された.

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© 2024 一般社団法人日本土壌肥料学会
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