北海道矯正歯科学会雑誌
Online ISSN : 2432-6747
Print ISSN : 0916-202X
同胞にみられた移転歯に関する考察
金子 知生岡本 亨越川 美乃上浦 庸司熊澤 隆樹飯田 順一郎
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2001 年 29 巻 1 号 p. 3-10

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抄録
矯正治療を行う上で稀に遭遇するものに移転歯がある。この移転歯に関する実態調査は多くなされていたが、その成因についての報告は比較的少ない。そこで今回、3人の同胞のうち2人の姉(両側)妹(片側)に移転歯が出現した症例を経験し、頭部X線規格写真および研究用模型を用い、移転歯の成因について検討したので報告する。結果として、移転歯の成因を考えると今回の症例は同胞の中に見られたものであり、まず遺伝的要因の存在が考えられた。また、今回の症例の分析から上顎骨の大きさ、上顎歯槽基底幅径の大きさ、arch length discrepancyの大きさがその成因に含まれる可能性が示唆された。
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© 2001 北海道矯正歯科学会
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