北海道矯正歯科学会雑誌
Online ISSN : 2432-6747
Print ISSN : 0916-202X
CR画像側面頭部X線規格写真によるMidfacial lineの研究
大滝 尚子佐藤 嘉晃梶井 貴史豊泉 裕山本 隆昭今井 英幸飯田 順一郎
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2002 年 30 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

我々は一般人の顔貌に対する意識をアンケート調査し、自己顔に対して不満度の高い項目は鼻、まぶた、頬、歯、などであり、頬に対する不満の程度が特に高いことを報告した。今回我々は、矯正治療希望患者において、各種顎態での頬の形態的特徴を把握することを目的に検討を行った。資料として本大学に来院した女性患者64名(平均24歳5か月)の初診時Computed Radiography(以下CR画像と呼ぶ)側面頭部X線規格写真を用いて、頬を示すMidfacial lineについて検討した。計測項目はMidfacial line上の2点やPronasale、Subnasaleの前後的位置といった軟組織に関する項目と、∠SNA、∠SNB、∠ANB、上顎前歯の位置といった硬組織に関する項目である。以下に結果を示す。1. Pronasale(鼻尖点)、Subnasale(鼻下点)、及びMidfacial lineの2点の前後的位置はSNA及びSNBと有意な相関があった。2. 前頭蓋底に対する上顎中切歯の前後的位置がMidfacial line上の点の前後的位置に影響を及ぼしていた。3. Midfacial lineの前後的位置は上下顎骨の前後的顎関係に依存していなかった。4. 頬骨歯槽稜及び鼻切痕からMidfacial lineまでの軟組織の厚いものは鼻までの厚みも厚かった。

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© 2002 北海道矯正歯科学会
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