平鉋の刃の仕込勾配に着目して、7種類の樹種について表面仕上げ状態を比較検討した。 31度から44度の範囲で仕込勾配を設定した鉋台に、仕上げ研ぎを行った鉋刃を仕込み、仕上げ削りを行った。仕上げ面は表面粗さ計で測定した。 特殊な傾向を示したラワンを除いた全試験樹種の表面最大粗さの平均値(aveRmax) を切削条件でみると、仕込勾配が小さくなり、切刃角が大きくなるほど、粗さが小さくなる傾向を示した。各試験で得られた最大粗さ(Rmax)を仕込勾配で見ると、勾配が急になるほど大きな粗さを示し、かつ最大粗さのバラツキが大きくなる。また、緩い勾配でも最大粗さのバラツキが大きくなり、8寸勾配で最大粗さのバラツキが最も少なくなる。