21世紀東アジア社会学
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論文
アクティブ・エイジング論の課題と展望
――〈媒介者としての老人〉からの存在論的アプローチに向けて――
賀 玉辰
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2018 年 2018 巻 9 号 p. 257-268

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抄録

 日本と中国のアクティブ・エイジング比較研究に向けた準備・試論として、その分析枠組みのひとつを、主に民俗学者の宮本常一が描いた「年寄り」から抽出することを試みたい。ここでは特に、〈媒介者としての老人〉に着目することで、民俗学的観察からの具体的な描写を社会関係に転換し、媒介者としての役割や機能を形式化することで、比較の基準を明らかにしたい。そして、既存のアクティブ・エイジング論に存在論からのひとつの視点を加えることで、高齢者エイジングにかかわる問題の発見やその説明、解決方法の可能性をさらに押し広げるための一助としたい。

 为进行中日老人活动理论比较研究,本文试从日本民俗学者宫本常一描述的“老人”中归纳并创建老人活动的相关理论,即“老人的媒介功能”。本文通过把民俗学领域的具体描述和观察转化成具体的社会关系,并对媒介者的劳动分工及效能进行格式化,明确了比较研究标准,即“老人的媒介功能”。另外,通过在老人学研究领域里提出存在论观点,希望能为进一步拓展老人学研究的发现问题、分析问题、解决问题之视域而推波助澜。

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© 2018 日中社会学会
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