抄録
パワーアシスト装具の設計には,その機械的な性能だけでなく,ユーザとなる介護者にとって身体の自然な拡張として感じられるような使用感を実現できることもまた求められる.それには装具を装着しない場合と大差ない動作で装着時にも所望の作業を遂行できることが必要であり,ある動作の起動や停止などに関するユーザの意思を確実に装具側に伝達できなくてはならない.この装具!)ユーザ間の「意思伝達」の問題について,本研究では,レンズモデルによる判断分析の枠組を利用してユーザ!)装具!)共同作業場の三者の機能的な関係を定性的に捉え,人間!)機械間で整合する状況判断実現のためのインタフェース設計に関する検討を行った.そして,実際に製作した上肢用の装具を用いて操作意図の識別に関する基礎実験を実施した.本稿ではこれらについて報告する.