2021 年 2021 巻 11 号 p. 191-198
東アジアは地政学的な力学で激動期を迎え、それまでの統合主義的な国際関係が混とんとしている。米国の後退と中国の台頭という二つの大国の対照的な変化により、東アジアという地域総体が過去20年間の協調的、融和的な東アジアか、対立的・分断的な東アジアかの岐路に立っている。東アジアの連帯、すなわち前者の融和的な東アジアを目指し、どのような研究回路に基づき、地域の安定に寄与するためにどのような研究課題を模索すべきかが問われている。政治的、経済的にも停滞し、「歴史の終わり」を漂い続け、新たな歴史の創造から遠ざかる日本と、東アジアだけでなく世界の安定に不可欠な超大国となりつつある中国、いわゆる新旧の“東アジアの盟主”的な大国の布置を意識した、東アジア国際秩序の新たな研究回路についての論点を整理してみたい。