生物環境調節
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グロースキャビネットの温度制御におけるPID調節器の最適調整に関する研究
松井 健江口 弘美藤 薫次
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1973 年 11 巻 1 号 p. 31-35

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抄録
PID制御動作が空気温度制御に著しく有効であることはすでに認められているが, PID調節器における比例帯 (PB) , 積分時間 (TI) および微分時間 (TD) の設定条件と, 温度制御の特性との関係が明らかでないために完全な最適調整が困難な場面がある.本研究ではPID調節器の最適調整の資料を得るためにグロースキャビネットにおけるPID調節器の比例帯, 積分時間および微分時間を種々の条件に設定し, 空気温度のステップ応答特性について制御面積および整定時間を測定して解析した.
1) 空気温度のステップ応答における制御面積と整定時間は比例帯設定条件に最も著しく支配された.
2) 比例帯を50%以上に設定した場合, 制御面積および整定時間, ともに著しく大となり, ほとんどの場合1時間以内に整定しなかった.
3) 比例帯を3%に設定した場合, 積分時間, 微分時間の設定条件に関係なく, サイクリングを生じた.
4) 比例帯を10%に設定した場合, 制御面積および整定時間, ともに小となったが, 微分時間が2分の場合にはサイクリングを生じた.
5) 最適調整の条件は比例帯10%, 積分時間10~20分, 微分時間0~0.5分であった.
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© 日本生物環境工学会
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