生物環境調節
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サイトカイニン処理によるグラジオラス球茎の休眠打破におよぼす温度および他の生長 (調節) 物質の影響
塚本 洋太郎矢沢 進
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1973 年 11 巻 4 号 p. 157-164

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抄録
高温期に形成されるグラジオラスの球茎は深い休眠期をもっているが, 休眠を短縮するには3~5℃の低温に1か月貯蔵する必要があることが明らかにされている.この研究はグラジオラスの球茎の休眠打破に対し, サイトカイニン処理が低温の効果にかわりうるかどうかを実験したものである.
球茎を20ppmのべソジルアデニン (BA) に24時間浸漬して砂植えすると, 2~3週間内に100%発芽する.処理時および処理後の温度は30℃が最もよい.BAで処理したものは頂芽優勢が破れ, 多数の芽が発芽する.BA20ppmにNAA10ppmを混ぜて処理すると発芽数は減少する.また, 休眠が深い場合にはBAによって発芽しても, 苗条の伸長は途中で中止することがある.BA20ppm処理, 3日後に100ppmのジベレリンで処理すると苗条の伸長はよくなる.ジベレリンで処理しただけでは何の反応も得られなかった.
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© 日本生物環境工学会
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