生物環境調節
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炭酸ガス環境に関する研究 (6)
蒸散に対するCO2濃度の影響
矢吹 万寿清田 信
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1975 年 13 巻 4 号 p. 151-158

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抄録
光合成―蒸散―CO2濃度の関係を研究している過程において, 標準CO2濃度の空気中で, 光強度0.75cal・cm-2・min-1, 気温25℃関係湿度65%の条件下で, 約30分の周期を持つ蒸散量の周期変化のあることを見出した.その振動の振幅は風速に影響され, 風速とともに増加した.平均蒸散量は風速とともに増加し, 150cm・sec-1の風速で最大値を示した.
高CO2濃度では, 振動の周期は長くなり, また振幅はせまくなった.そして3, 000ppmで周期変動は消失した.しかし温度を30℃に高めると周期変動は20, 000ppmまでつづいた.
平均蒸散量はCO2濃度とともに減少し, ほぼ1, 000ppmで最小値を示した.その濃度以上になると蒸散量は20, 000ppmの濃度まで増加した.
この現象は温度に関係し, この蒸散量の低下は気温を35℃に上昇させると消失した.同様な現象は, ハクサイ, キャベツ, マナカブ, 桜島ダイコンについても見られた.
高CO2濃度で蒸散量が増加する原因は明らかでないが, 植物体にABA液をかけることにより蒸散量は減少した.このことは高CO2濃度でCO2が再び気孔を開く要因となることを意味している.
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© 日本生物環境工学会
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