生物環境調節
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ドウガネブイブイの生存率と発育期間―特に発育期に結びついた温度変化の効果
藤山 静雄高橋 史樹
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1977 年 15 巻 2 号 p. 19-25

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抄録
ドウガネブイブイを高い生存率かつ短い成長期間で飼育する方法を知るため, いろいろな温度条件の組合せのもとで飼育した.
1令幼虫は低温 (15℃) で生存できなかったが, 2令幼虫は低温でも生存率が高かった.3令摂食期から3令黄熟期にかけては, 15~30℃のいずれの温度条件下でも生存率がかなり高かった.しかし, それまでの全期間を高温のみで飼育した場合には, 一部3令黄熟期に死亡がみられた.前蛹期から成虫潜土期にかけては, 2令後期から3令黄熟期に低温を受けた場合には生存率が高かった.この場合の全成長期間は短く, その標準偏差も他に比較して小さかった.高い生存率を示す温度範囲は発育期によって異なっていたが, その変化は夏を出発点と考えた場合の温度の季節変化とよく似ていた.
これらの結果から, 温度に関する本種の最も適当な飼育計画を立案した.
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