抄録
キイロショウジョウバエのそれぞれ異なる第2染色体をもつ2系統 (10A, 22B) のホモ (+/+) とヘテロ (Cy/+) を用いて, 生産力 (1雌から生産される次代のハエの数) におよぼす生育期間中の集団密度および一定温度 (25℃) と変動温度 (20~30℃サイクル/日) の影響を分析した.その結果は, 次のとおりである.
1) いかなる条件においても, 生産力について系統間に差は認められなかったが, 各系統のホモの生産力はヘテロのそれに比べて小さかった.
2) 変動温度環境における生産力は, 一定温度環境におけるそれよりも小さくなったが, その減少度はヘテロよりもホモにおいて, わずかに大きかった.
3) 生産力は生育期間中の集団密度によっても影響を受け, 低密度におけるより高密度において小さくなった.
4) Cy/Pm法で推定したホモ (+/+) の相対生存力は, いくつかの異なる環境においても安定していた.
5) 生産力と産卵力 (1雌あたりの産卵数) の間には有意ではないが, 正の相関があった.