生物環境調節
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土壌の気相環境の研究 (3)
土壌内一次元CO2濃度分布のシミュレーション
伊藤 実
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1979 年 17 巻 1 号 p. 35-40

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抄録
本論文は土壌内一次元CO2濃度分布のシミュレーションについての研究である.シミュレーションに際して, 土壌内xでの拡散係数D (x) が必要である.拡散係数Dと通気係数Kとの間には, 本実験の場合, 次式のような関係があった.
K≧1.2cm/secでD=0.093cm2/sec
K<1.2cm/secでD=0.0845K0.432cm2/sec
一般に土壌内で拡散係数D (x) を測定することは困難であるため, 通気係数K (x) を測定して上式からD (x) を求める.つぎに土壌内でのCO2発生量PCO2 (t) を次式のように仮定する.
Pco2 (t) =Ae-B (logt/Tm) 2+Cconstが, 上式に従って, 時々刻々変化しながら経過した後で得られる土壌末端部でのCO2濃度C (l) pvと, その時刻でのPCO2の値のまま実験開始から一定値で経過する時に求まる末端部でのCO2濃度C (l) pcとを比較すると, 前者は後者の約0.9~1.6倍になることがわかった.このことから, CO2濃度分布をCO2濃度C (x) そのもので表わすには, PCO2 (t) の式が明らかでないかぎり不可能である.他方, 土壌の末端部の濃度を1 (=RC (l) ) として, 土壌内のCO2濃度を
RC (x) =C (x) /C (l)
で表わすと, PCO2 (t) 式内のパラメーターに関係なく, 一定の分布形がえられることがわかった.それゆえ, CO2濃度分布の表現として, 相対CO2濃度RC (x) で表わすことにした.この方法で実測したCO2濃度分布とシミュレーションによる分布とを対比してみると, 両者はきわめて一致していることがわかった.このことから, 土壌内一次元CO2濃度分布形のシミュレーションが可能となったといえる.
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© 日本生物環境工学会
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