生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
植物生育のプロセス同定とその最適制御 (XI)
葉温をモニタとする植物生育の最適制御
橋本 康森本 哲夫船田 周杉 二郎
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 19 巻 3 号 p. 103-111

詳細
抄録
葉温をモニタする植物生育の最適制御を日の出から日中の過渡状態と日中の定常状態にわけて検討した.過渡状態では, 植物は水欠乏になり, 葉温は振動し光合成は減少する.この現象を回避するため葉温をモニタし, コンピュータで植物の水ストレス状態を判断して湿度操作をするコンピュータ制御系を設計し検討した.本方式により制御された植物では単なるプログラム制御に較べて過渡から定常への移行時点において, 葉温は低く水ストレス状態もより少ない良好な結果をえた.定常状態の制御のためには, 葉温, 水ストレス, 光合成などの関係を実験とモデルから求めた.根圏への給水方法により, 植物に適度の水ストレスを与えた方が光合成が大きいことが見い出された.これらに基づき, 制御系を設計し検討した.すなわち, 外乱で葉温が振動すると減衰させるよう給水系を操作し, 減衰以後は既にコンピュータに記憶されている光合成の最適条件の一つに従い給水させる方式で, 普通の制御に較べ約10日間の栽培で乾物重比で2.67倍の良好な結果をえた.
著者関連情報
© 日本生物環境工学会
前の記事
feedback
Top