生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
重金属が無菌蚕に及ぼす影響 (IV) CdおよびEDTAの毒性
松原 藤好中山 康博
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 19 巻 4 号 p. 115-120

詳細
抄録
人工飼料を用いて無菌飼育を行い, 1齢, 3齢および5齢の起蚕から, 種々の濃度のカドミウム (Cd) またはエチレンジアミン・4酢酸・2ナトリウム (EDTA) を10日間投与した直後の幼虫について発育経過および死亡率を調べ, 次の結果を得た.
1) Cdについては1齢および3齢からの投与では50ppmで死亡蚕が出現し, 5齢からの投与では100ppm以上で出現した.LD50は1齢からの投与では50ppm以下にあり, 3齢からの投与では50~100ppmの間にあり, 5齢からの投与では100~150ppmの間にあった.
2) EDTAについては1齢および3齢からの投与では0.04M以下の濃度で100%生存し発育するが, 0.08M以上の濃度では死亡蚕が現われる.5齢からの投与では0.1Mまですべて生存し, 0.16M以上の濃度で死亡蚕が出現した.100%死亡する濃度は1齢および3齢では0.1Mであり, 5齢からの投与では0.2Mであった.LD50は各齢ともに0.1Mから0.16Mの間に存在した.
CdまたはEDTA投与によって起った幼虫の致死はすべて中毒死であり, ウイルス病および他の伝染性蚕病による致死個体は全くみられなかった.
著者関連情報
© 日本生物環境工学会
次の記事
feedback
Top