生物環境調節
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家蚕幼虫期における日長条件と人工飼料中の大豆粉末量が蚕の成長発育, とくに卵休眠性に及ぼす影響
上田 悟長楽 勇鈴木 清中島 正雄
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1985 年 23 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

20℃, 暗条件で催青した2化性蚕品種を用い, 人工飼料育において日長条件 (D24, LD6: 18, LD12: 12, LD18: 6, L24) と飼料中の大豆粉末および桑葉粉末量が, 蚕の成長発育, とくに休眠性に及ぼす影響について検討した.明期の光源には450nm以上の波長をもつ螢光燈を用いた.
蚕の成長は日長条件によって明らかに影響を受け, その態様はLD6: 18に転換点をもっていた.すなわちLD6: 18では, 他の日長条件に比して飼育経過は短かく, 繭重と繭層重は軽く, 生存率と休眠卵割合は高かった.この影響は光による飼料の劣化によるものではなく, 光の蚕に対する直接の影響と推定された.
飼料中の大豆粉末含量が休眠性に及ぼす影響は, 日長条件LD6: 18とD24においてのみ現れ, 大豆粉末量が多くなるほど非休眠卵歩合が増加し, 繭重と繭層重は重くなった.飼料中の桑葉粉末量と休眠性の間には一定の傾向は認められなかった.

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© 日本生物環境工学会
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