生物環境調節
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23 巻, 1 号
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  • 佐野 宏明, オルランディ M., 津田 恒之
    1985 年 23 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    暑熱時における酢酸消失速度を明らかにするために, ヤギを常温環境 (20℃, 相対湿度70%) から暑熱 (33℃, 相対湿度70%) に4日間暴露した.暑熱暴露によってヤギの一般生理反応は著しく変化した.両環境とも酢酸 (1.25mmole kg-1) の静脈内注入によって血液酢酸濃度は著しく増加した.常温環境において酢酸注入後直ちに血漿グルコース濃度は増加し, 血漿遊離脂肪酸濃度は低下した.暑熱暴露4日目には血漿グルコース濃度は20℃環境とほぼ同様に変化したが, 血漿遊離脂肪酸濃度はほとんど変化しなかった.暑熱時における血中からの酢酸の消失速度は常温環境と類似していた.以上の結果から, 血液酢酸を処理する能力は両環境下で差のないことが明らかになった.
  • 上田 悟, 長楽 勇, 鈴木 清, 中島 正雄
    1985 年 23 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    20℃, 暗条件で催青した2化性蚕品種を用い, 人工飼料育において日長条件 (D24, LD6: 18, LD12: 12, LD18: 6, L24) と飼料中の大豆粉末および桑葉粉末量が, 蚕の成長発育, とくに休眠性に及ぼす影響について検討した.明期の光源には450nm以上の波長をもつ螢光燈を用いた.
    蚕の成長は日長条件によって明らかに影響を受け, その態様はLD6: 18に転換点をもっていた.すなわちLD6: 18では, 他の日長条件に比して飼育経過は短かく, 繭重と繭層重は軽く, 生存率と休眠卵割合は高かった.この影響は光による飼料の劣化によるものではなく, 光の蚕に対する直接の影響と推定された.
    飼料中の大豆粉末含量が休眠性に及ぼす影響は, 日長条件LD6: 18とD24においてのみ現れ, 大豆粉末量が多くなるほど非休眠卵歩合が増加し, 繭重と繭層重は重くなった.飼料中の桑葉粉末量と休眠性の間には一定の傾向は認められなかった.
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