抄録
ナスとピーマンの苗の生育とその後の収量に及ぼす鉢土のつめ方の影響をみるため, 粗区 (軽くつめた区) と密区 (振動させてつめた区) を設け, さらに3種類の床土を用いて試験を行った.
バーク堆肥のみの床土区を除いて, ナス, ピーマンともに粗区は密区より苗の生育が旺盛で, 乾物重が多かった.しかし, バーク堆肥のみの床土区では, ピーマンは密区より粗区のほうが生育がよかったが, ナスは粗区より密区のほうが生育がよかった.また, 乾物分配率からみると, バーク堆肥のみの床土区を除いてナス, ピーマンともに, 粗区は根への分配が多く, 茎への分配が少なかった.密区は根への分配が少なく, 茎への分配が多かった.つまり, 土のみと土: バーク堆肥等量の床土区において, 密区より粗区の苗のS/R値が小さかった.
ナスの場合では, バーク堆肥のみの床土区を除いて, 粗区は密区に比べて生育がよく, 収量が多かった.バーク堆肥のみの床土区においては粗区よりも密区のほうが生育がよく, 収量が多かった.ピーマンはいずれの床土区においても, 密区より粗区のほうが収量が高く, 地上部と地下部の生育が良好であった.
葉面積が一定の大きさ以上で, しかも, S/R値が小さい苗は定植後生育がよく, 収量が高かった.葉面積が小さすぎると, S/R値がいくら小さくても収量が上がらなかった.ナス, ピーマンとも同じ傾向がみられた.
粗区の苗は定植後多くの太根を形成し, 大きく, 広い根系分布を示した.太根の多い株は収量が多く, 収量が少ない株は太根が少なかった.両者の間に高い相関関係が認められた.