生物環境調節
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種々の昼温がトサブンタンの開花と結実に及ぼす影響
スサント スラメト中島 芳和長谷川 耕二郎
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1991 年 29 巻 3 号 p. 97-105

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抄録
30l容ポリポットに栽植の3年生カラタチ台トサブンタンを人工気象室に入れ, 夜温を一律に10℃とし, 昼温を15, 20, 25, 30および35℃に設定した.処理期間は1989年12月18日から1990年5月1日まで, 15℃区は同年6月11日までで, 処理終了後は, 果実を収穫した同年11月15日まで, ほ場条件で生育させた.15℃処理は新梢の生長や花蕾の発育を強く抑制し, 開花前後の花蕾をほとんど落下させた.20℃処理は花を最大にし, 開花数, 結実量を最も多くさせたが, 高温区に比べて, 収穫期の果実の着色をやや遅らせた.一方, 25℃以上の高温処理は生殖生長の速度を高め, 有葉花率を高くしたが, 花蕾の落下を多くして開花数を減少させた.また, この高温処理は果実を大きくし, 腰高で果皮の厚い果実を生産するとともに, 収穫期には, 果汁の可溶性固形物含量を35℃を例外として増加させ, 酸含量を減少させた.30℃および35℃処理は収穫期の果実の中軸柔組織に裂開を起こし, 35℃処理は同時期の多くの砂じょうに粒化症を発生させた.
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© 日本生物環境工学会
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