抄録
適切な駐車場計画の立案を支援することを目的として、汎用シミュレーション言語をベースに、パソコン上で稼動するシミュレーションシステムを開発した。本システムは、駐車場内や周辺道路を走行する車の動きをディスプレイ上に表示でき、駐車容量、出入口の位置・数、入出場の所要時間、周辺交通流への影響などを評価するための種々の統計データを作成できる。また、駐車場計画評価の観点として、駐車場周辺交通への影響評価、および駐車場内のレイアウト評価のそれぞれの必要性の有無から、これらを組み合わせた4種類の基本モデルを作成し、個々のプロジェクトを対象としたシミュレーションモデル構築の効率化を図った。さらに、このシステムを機械式駐車場に併設する駐車待ちの車両のための待機スペースと自走式駐車場との容量配分の検討、および複数の駐車場整備にあたっての駐車案内方式の効果と周辺交通への影響の評価、という二つの事例に適用し、システムの機能を検証した。