生物環境調節
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Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの活性と作物根
馬 俊栄小倉 寛典大口 富三
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1992 年 30 巻 4 号 p. 169-175

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抄録
F.oxysporum f.sp.cucumerinumの土壌中での活性を生活根に限定して検討した.
キュウリつる割病菌汚染圃場における作物根への本病原菌の着生はダイズで多く, キュウリ, ソルガムの順に低下した.また, 成熟根と若齢根との間には明確な差異はなかった.根内への侵害はキュウリが多く, さらに経時的に増大した.他の2作物では侵害はほとんどなかった.キュウリ根への本菌の着生は先端近辺で多く, 基部.では少ないが土壌中の病原菌量が土壌1g当たり104に達すると侵入個所の特徴は消失した.他の土壌糸状菌の着生も若齢根部に多く, 少数の菌は根内にも侵入した.キュウリつる割病菌の密度が増加すると他の糸状菌の着生数は減少した.
土壌糸状菌は生活根への着生部位により3群に分けられるが, いずれもつる割病菌と競合する菌群が認められた.拮抗菌の特性は培地上の抗菌力よりも土壌中の抗菌力とキュウリ根面への着生力が関連し, 殺菌土壌では明確な発病抑制効果が認められたが自然土壌中ではこの効果は低下した.
稿を終えるにあたり, 本研究の実施にご協力をいただいた高知大学農学部土佐幸雄助教授, 草場基章, 桑野伸晃, 野口英明の諸氏, またご助言をいただいた愛媛大学農学部, 吉永長則教授に謝意を表す.
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