生物環境調節
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短時間高光強度照射下におけるサラダナの生育と生理的特性
石井 雅久伊東 正丸尾 達鈴木 皓三松尾 幸蔵
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1995 年 33 巻 2 号 p. 103-111

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抄録
完全制御型植物工場の電力コストを削減させるために, 一般電力と比べて割安な深夜電力 (11pm~7am) の利用について, 『岡山サラダナ』を供試し, 光強度と照射時間の関係から調査・検討を行った.
生育中期までは, PPFDならびに照射時間の増加とともに葉の生体重および乾物重は増加したが, 後期から腋芽葉の発生や葉捲きが多く発生し, サラダナの生育は遅延し, 生産物の品質は低下した.また, 1回の明期に照射する光量子の積算値が等しければ, サラダナの生育や品質も同様になると推察された.
以上のことから, 本試験の照射条件のなかでは, PPFDが400~420μmol・m-2・s-1, 照射時間が8時間で生育したサラダナが生育や品質などの面から効率的であることがわかり, 深夜電力の利用による栽培の実用的可能性が示唆された.
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© 日本生物環境工学会
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