生物環境調節
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Controlled Greenhouseにおける環境条件について (II)
―ガラス室の制御系―
船田 周橋本 康原 道宏
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1966 年 4 巻 1 号 p. 40-51

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抄録
月の光と昆虫の活動との関係は, BRADLEY (1935) の研究以来いくつかの報告があるが, まだ一致した明解な説明はない.著者はアメリカのフロリダ州大西洋岸を約3マイルにわたって, 晩春から初秋にかけ, Aedes taeniorhynchusなどの蚊を, 日没から日出まで15~20分間隔で採集した.その期間活動中の蚊の数と, 天候, 月令, 垂直分布, 種別, 性別との関係を調査検討した.
まず日没より日出までを8等分し, それぞれの期間の採集数を比較した.一般に日没後の薄明時期に一番多く, 日出前の薄明時期がそれにつぐ.その両者の間 (いわゆる夜間) については明らかに月令と関係が深い.下弦の場合も上弦の場合もともに月の出ている時期の方が多いが, 上弦の場合の月の出ている時期, すなわち夜間の前半の方が下弦の場合の月の出ている時期, すなわち夜間の後半に比べて統計的に有意に大きい.いずれの場合も月の高さと関係が深く天頂のとき最大となる., 月の出ていない上弦, 下弦の夜間の間では差は認められない.すべての場合に雌は雄より多い.満月の場合は日没から日出までの期間に, わずかずつ減少しているが, 大きな差はない.新月の場合は, 両薄明期以外の夜間では非常に少ない.したがって日没より日出までの間の延べ活動数は, 満月, 上弦, 下弦, 新月の順に少なくなり, その相対比は546: 195: 190: 100である.
日没から日出までを8等分し, 順に1から8の番号をつけた場合の1と8を取上げ, さらに細分してNIELSEN (1961) が提唱した“Crep Unit”との関係を調査した. (日没時と日出時がc.u.=0, 夕方の常用薄明の終りと朝の常用薄明の始まりの時がc.u.=1, 夕方の天文薄明の終りと朝の天文薄明の始まりのときがc.u.=3) .
蚊の数はc.u.=0.4のとき最小である.最大の時期は性により幾分異なる.すなわち, 雄ではc.u.=1.2~2.0のとき最大となるが, 雌ではc.u.=2.0のとき最大となる.天候との関係をみると, 最も採集量が多く比較検討に有利なA.taeniorhynchusの場合, 雄はあまり天候に左右されないが雌では光に対し非常に鋭感であり, 明るい場合に曇ったときより有意に多数活動することがわかる.
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© 日本生物環境工学会
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