抄録
大麦 (品種: キカイハダカ) 主茎の葉身の出葉と生育に及ぼす日長並びに光エネルギー効率の影響を, 6~24時間までの日長時間に調節した人工気象器を用いて検討した.主茎の第2葉出現から第7葉出現までの葉数を毎日調査した.また, 第2葉から第6葉までの葉身の面積, 長さ, 乾物重も調査した.その結果, 出葉速度は日長が長くなると速くなった.しかし, 生育速度は15時間日長で最も速かった.日長1時間当りの出葉速度は日長が長くなると遅くなった.また, 日長1時間当りの生育速度も日長が長くなると遅くなった.このように, 出葉および生育反応は, 日長時間が異なれば光エネルギーが等しくても異なった.出葉が最も優れる日長と出葉を光エネルギー効率からみた最適な日長は異なった.また, 生育が最も優れる日長と生育を光エネルギー効率からみた最適な日長も同様に異なった.