抄録
レモンバーム (Melissa officinalisL.) のアレロパシー物質を明らかにするために, 30日齢のレモンバームのシュートからアレロパシー物質の分離精製を試みた.レモンバームのシュートのアセトン抽出物から得た中性物質をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで12画分に分離し, それぞれをレタス (Lactuca sativaL.) の生物検定に供したところ, 3種類の生長抑制物質が見出された.その内, 1つの生長抑制物質は, 薄層クロマトグラフィー, C18Sep Packカートリッジと逆相カラムHPLCにより分離された.この物質は, 0.3μgmL-1以上でレタスの下胚軸の生長を抑制し, 2.9μgmL-1でレタスの下胚軸の生長を50%抑制した.以上の結果は, レモンバームのシュートには少なくとも3種類の生長抑制物質が存在すること, これらの物質は何らかの方法で環境に放出され, 他の植物の生長に影響を与える可能性があることを示唆している.