生物環境調節
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トマトセル成型苗におけるarbuscular菌根菌の共生の菌種間差
松原 陽一鈴村 衛功
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2003 年 41 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
トマト (Licopercicon esculentumMill., cv. Momotaro-T93) のセル成型苗生長および活着・初期生育に及ぼすarbuscular菌根菌3種 [Gigaspora margarita (GM) , Glomus fasciculatum, Glomussp.R10] の共生の影響について調査した.植物体乾物重は液肥中リン濃度 (5, 25, 50ppmKH2PO4) に関わらず, GM区が他の処理区を上回り, 25ppm-P区で最大となった.また, GM区では根鉢形成が促進され, 1個体の根系における感染率も最高となり, 植物体リン含有率は50ppm-P区以外で無接種区より増大した.一方, GMが共生した25ppm-P区の成型苗を移植した場合, 活着後も無接種苗より旺盛な初期生育を示した.以上のことから, トマトセル成型苗生産システムにおいて, AM菌接種の利用により, 活着力の高い健苗育成, 移植後の初期生育促進が図れ, それらの効果には菌種間差が存在することが明らかになった.
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© 日本生物環境工学会
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