抄録
中山間地域での周辺地形による被陰がトルコギキョウの生育, 開花に与える影響を推定するために, 早生3品種と晩生1品種を, 11月, 6月, 9月定植の3作型において遮蔽物 (高さ3.1m) の東, 西, 南, 北側で栽培した.
北側区のTPFDは, 冬期には南側区の21%であったが, 夏期には94%に達した.11月定植作型では, 北側区は南側区と比較して早生品種の切り花品質が優れていた.TPFDが常に高い6月定植作型では, いずれの品種においても, 北側区と他処理区との間に生育差が認められなかった.抽だい後にTPFDが低下した9月定植作型では, 北側区の生育, 開花は, 他処理区と比較して著しく劣った.TPFDが低い時期をロゼット状態で経過した東側区と西側区では, いずれの作型, 品種でも正常に開花し, TPFDが最も小さい12~2月でも約10molm-2day-1であった.以上のことから, 地形によって直達日射量が低下する中山間地域でも, 上記のTPFDが確保できる場合には, トルコギキョウの切り花生産が可能であると推察される.