生物環境調節
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貯蔵環境の動的最適化のための篤農技術を模倣した知能的制御システム
森本 哲夫橋本 康
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2003 年 41 巻 3 号 p. 221-234

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抄録
本研究は, 篤農家の思考過程と技術を模倣した知能的制御システムを提案し, それを貯蔵における果実の水損失とカビの発生度合いを最小にする相対湿度の動的最適化に適用した.篤農家の思考過程は主に2つのステップから成る.1つは経験を通して“学習する”こと, 2つ目は学習で得られた精神的モデル (ニューラルネットワークモデル) を用いてシミュレーションし, すなわちいろいろな操作に対する結果を予測し, その中から適切な操作を“選択・決定する”ことである.さらに, 適切な操作を自分の熟練技術に基づいて大胆かつ巧妙に“実施する”.本知能的制御システムは2つの最適値決定システム (IとII) とファジィ制御による換気扇のオンオフ制御器から成る.最初に, 最適値決定システムIを用いて最適な相対湿度の目標値列が決定され, 次にそれに基づいて換気扇のファジイ・オンオフ制御により相対湿度が制御される.最適値決定システムIでは, まずニューラルネットワークを用いて相対湿度に対する果実の水損失とカビの発生度合いの応答を同定し (“学習する”) , 次に同定されたモデルのシミュレーションから, 遺伝的アルゴリズムを用いて, 果実の水損失とカビの発生度合いを最小にする相対湿度の目標値列を見出す (“選択・決定する”) .求められた最適目標値列は, 貯蔵の初期はやや低湿度にし, 後半は高湿度にするパターンであった.最適値決定システムIIで最適化されたファジイ・オンオフ制御器は従来のオンオフ制御より優れた制御パフォーマンスを示した.以上のように, 本制御システムは農業における複雑な制御システムの動的最適化に広く適用可能と考えられる.
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© 日本生物環境工学会
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