生物環境調節
Online ISSN : 2185-1018
Print ISSN : 0582-4087
ISSN-L : 0582-4087
インゲンマメの老化初生葉における本葉切除による光合成の回復に及ぼす温度, 光強度および窒素施用の影響
鈴木 茂敏高野 泰吉
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 42 巻 2 号 p. 113-121

詳細
抄録
インゲンマメ (Phaseolus vulgaris L.cv.Yamashiro Kuro Sando) の老化初生葉における本葉切除による純光合成速度の回復に及ぼす3種の環境要因の影響を調べた.温度の影響については, 23/18℃, 25/20℃, 28/23℃ (昼温/夜温) の条件で調べたが, 25℃における純光合成速度の回復に及ぼす明確な影響は認められなかった.光強度の影響は, 初生葉を1~3枚の黒寒冷紗で覆うことにより調べた.遮光の程度が高まるにつれて, 純光合成速度の回復は, 葉面積当たりで表現した場合低下したが, 葉重当たりで表現した場合には遮光の影響は認められなかった.遮光により葉の面積は拡大し厚さは減少したことから, 光強度の影響は葉の形態に及ぼす影響が大きいことが考えられた.窒素施用濃度の影響は, 異なる濃度の窒素を含む液肥を時期を変えて施用して調べた.その結果, 窒素施用濃度は本葉切除後の初生葉の光合成回復に大きな影響を及ぼす要因であることが明らかになった.
著者関連情報
© 日本生物環境工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top