サツマイモ塊根の形成機構を解明するために, 確実に塊根形成個体を得るための水耕法を確立した.茎挿しで育成した節根1本を有する植物を水耕装置に植え, 節根の基部側を空気中に保持し, より先端側を培養液中に浸して栽培したところ, 20日間の栽培で実験に用いたすべての個体において, 節根の空気中にある部位で局所的な肥大が認められた.この部位は解剖学的な特徴から塊根であると確認された.また, 葉数および初期根径の異なる個体を本方法で栽培した結果, 初期根径は塊根形成開始時期と関係が深く, 葉数も塊根形成開始後の肥大に影響を及ぼすことがわかった.