生物環境調節
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噴霧耕における微少排液の測定法およびそれを用いた給液制御
東出 忠桐島地 英夫濱本 浩高市 益行
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2004 年 42 巻 4 号 p. 277-286

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抄録

養液栽培において植物側の情報を給液制御にフィードバックするため, 微少な排液を連続的に測定する手法を開発した.転倒マス式の排液補助具を電子天秤の上に設置し, 重量を連続測定することにより, 微小な排液速度の連続測定を可能にした.これにより, 実際の栽培規模における作物の水分吸収について, 連続的な算出が可能となった.そこで, キュウリの噴霧耕において, 排液の連続測定に基づいた給液制御を検討した.新しい給液方式として, その時点の日射を, 前日の日射と吸水量との関係式に代入して給液制御を行う方法を検討し, 従来の日射比例による方式と比較した.吸水量は, 生育前半では日射比例方式よりも新方式のほうが多かったが, 生育後半では両方式で同程度であった.また, 果実収量は, 新方式のほうが日射比例方式よりも多かった.

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