生物環境調節
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種子の熟度と発芽性および寿命1)
鈴木 善弘木本 氏幹
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1968 年 6 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
貯蔵中の種子に対する変温の影響については今までによく研究されていないのが現状である.著者らはコロラド州にある国立種子貯蔵研究所において, 含水量4, 8, 12%のライムギ, コムギ, ダイズ, ベニバナの種子を用いて変温貯蔵の比較を行なった.種子は各区400粒ずつガラス瓶に封入したものを用いた.定温貯蔵区は-12.2, -1.1, 10, 21.1および31.2℃にそれぞれ貯蔵され, 変温貯蔵は最初の2週間-12.2℃に貯蔵し, 2週間ごとにつぎつぎと32.2℃になるまで順次高温区に移され, ついで逆方向に順次低温に移されて-12.2℃に戻した.全期間34週になるが, このとき全実験区の種子をおのおの200粒とり出し2回反覆の発芽率を調査し, 残りの200粒は3カ月間室温 (21.1℃, 湿度30%) に貯蔵後, 発芽試験を行なった.
コムギ種子はどの貯蔵条件でも発芽率に影響がなかったが, ライムギは10°および32.2℃で貯蔵されたものが3カ月の室温貯蔵中に種子の発芽率の低下 (約70%) を生じた.しかし変温区には何の影響もなかった.ダイズは含水量12%で32.2℃に34週貯蔵されると発芽率は0%となり, 含水量8%のものでも明らかな発芽障害をおこした.3カ月室温貯蔵すると含水量12%で21.1℃および8%で32.2℃区ならびに12%の変温区で著しい発芽率の低下がおこっている.ベニバナでは含水量12%で32.2℃, 34週貯蔵区では発芽率は0%を示し, 含水量12%で21.1℃も著しい低下をおこした.変温区では含水量12%で3カ月室温貯蔵の発芽率が60%であった.
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© 日本生物環境工学会
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