生物環境調節
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空気調和ガラス室の潜熱負荷について
小倉 祐幸
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1969 年 6 巻 2 号 p. 77-80

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抄録

空気調和ガラス室でタバコを栽培する場合の潜熱負荷の設計標準値を求めた.
前報の戸外の日射標準値 (824kcal/m2・h) に対して, 入射量の設計値は602kcal/m2・hおよび3, 926kcal/m2・dayと見込まれる.つぎに, 日射と蒸散量との実験式LE=0.554Si↓-4.60 (cal/cm2・h) によって, これらの入射量 (Si↓) に対する蒸散量 (LE) を求めると288kcal/m2・hおよび2, 880kcal/m2・dayとなる.
植物栽培面積の室面積に対する割合をベッド率 (B) と名づけ, 種々のガラス室について調べたところ0.60±0.025をえた.また, ベッドの利用率を植物専有率 (U) , 植物葉によるベッドの被覆率を地被率 (γ) と名づけたが, これらが作物の種類や室の利用度などによって定められれば, 一般に潜熱負荷 (pLE) は次式によって算出できる.
pLE=LE×B×U×γ
タバコの場合, B=0.60±0.025, U=1.0, γ=0.93±0.05であるので, 潜熱負荷は161±15kcal/m2・h (275g/m2・h) , および1, 610±150kcal/m2・day (2, 750g/m2・day) が設計標準値として適当と考えられる.

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