生物環境調節
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空気調和ガラス室の顕熱比日変動および動特性
小倉 祐幸
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1971 年 8 巻 2 号 p. 119-125

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抄録

空気調和ガラス室の熱負荷の特性および自動制御性能1に関する特性値について検討した.
(1) ガラス室および事務所建築のモデルについて冷房負荷の試算を行なった.事務所では最大負荷は時間遅れを示し12~16時に表われるのに対し, ガラス室では時間遅れはなく12時に最大負荷となる.
顕熱比は事務所では最大負荷時に最高となる日周変動を示すが, ガラス室では比較的値が小さく午前と午後に2つのピークを示すが日周変動は小さい.これは事務所では潜熱負荷およびその日変動が小さいのに対して, ガラス室では潜熱負荷が比較的大きく, かつ, 植物体によって顕熱から移行されるもので, これが顕熱負荷のうち最大である日射にほぼ比例することによる.
(2) ガラス室の動特性について実験を行なった.
ガラス室では, むだ時間が微小で伝熱量が大きく容量遅れは比較的大である.したがって自動制御には比例+積分動作が適する.えられた諸特性値によって室温振幅の制御など自動制御機器の合理的な調整が可能である.

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