抄録
2007年11月~2009年4月までの1年半の間, 2日に1回の頻度で, 雲城水および津島名水 (福井県小浜市) における湧水量および水温を測定した. その結果, 以下のことが明らかになった.
(1) 雲城水の平均湧水量は約1L/秒, 津島名水のそれは約0.5L/秒であった.
(2) 両湧水量は1, 2月に全くなくなり, 7月に減少傾向を示したが, それ以外は顕著な季節変化はみられなかった.
(3) 雲城水および津島名水の平均水温は夏季に高く冬季に低い傾向を示した.
(4) 両方とも平均水温の最小値は約14℃であるのに対し, 最大値は雲城水が約16.5℃, 津島名水が約18℃であった.
(5) 冬季の融雪装置稼働時は雲城水および津島名水ともに湧水量が激減した.
(6) 地下水環境の保全が叫ばれている現在において, 融雪水として地下水だけに依存するのではなく, 地下水の熱や河川水を利用するのが望ましいと思われる.