応用生態工学
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一時的な水涸れの有無や環境特性の異なる 2 水路におけるヨコハマシジラガイの斃死率の違い
柿野 亘伊藤 寿茂吉田 豊小林 敦
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2011 年 14 巻 2 号 p. 155-159

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抄録
一時的な水涸れ (2010 年 9 月 1 日~ 9 月 15 日 (延べ 15 日間)) によるヨコハマシジラガイ個体群への影響を調べるために,2010 年 9 月 18 日に栃木県東部の谷津の水涸れが確認された西側水路 (Site 1) で, 10 月 24 日に, 確認されなかった東側水路 (Site 2) で採捕調査と生息環境調査が行われた. その結果, 両水路間で斃死率に有意な差が認められた. また, 斃死率が高かった Site 1 において, 採捕された全ての殻長規模で斃死個体が確認された. さらに, Site 1 では一時的な水涸れが生じた際に岸側 (山側) がコンクリート化されていたために湧水供給がなかったことを踏まえ, 水涸れ時に湧水供給 (根垂れ水) が可能な岸辺の確保, 個体が潜行し, 水涸れ期間中に退避できる底質について指摘した.
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© 2011 応用生態工学会
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