応用生態工学
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原著論文
漁港内にある緩傾斜帯「船揚場スロープ」における魚類の出現特性
-自然海岸との比較・検討 -
乾 隆帝西田 高志鬼倉 徳雄
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2012 年 15 巻 1 号 p. 1-17

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抄録
本研究では,福岡県日本海側の漁港の船揚場スロープ(以下,漁港スロープ)と,周辺水域の様々なタイプの自然海岸の魚類群集構造を比較することにより,漁港スロープにおける魚類の出現特性を明らかにすることを試みた.漁港スロープでは,70種,合計8875個体の魚類が採集された.漁港スロープ未成魚群集は,静穏で内湾的な地点と類似し,種数,個体数ともに豊富であった.一方成魚の群集構造は,砂浜海岸の一部と漁港によって構成されるグループと類似し,種数,個体数ともに豊富な,静穏な内湾や汽水域の中で,特に緩い潮間帯傾斜を持つ地点とは類似していなかった.これらのことから,漁港スロープは,未成魚の生息場として,一部の内湾的な自然海岸と同等の機能を持つ可能性がある一方,成魚生息場としては不十分な環境であるということが示唆された.
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© 2012 応用生態工学会
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