本研究により,東京都野川において国内外来種であるオヤニラミが侵入・生息していることが明らかになった.採捕された 7 個体は全て,ほとんど流れのない,ヨシを中心とする水生植物が豊富にある岸際で採捕された.また,環境 DNA 分析からもオヤニラミが明瞭に検出され,外来種の侵入を検知するツールとして環境 DNA が有効である可能性が示唆された.本研究では,地域市民からの情報提供,市民―研究者の連携により,オヤニラミの侵入・生息を早急に把握することができた.こうした市民との連携や共同調査は,生物の分布状況の把握に寄与し,地域の河川管理や生態系管理,また生物多様性の保全に資するものと考えられる.