抄録
100年時代の人生を生き抜く現代の大学生にとって,大学教育で身につけるのは仕事に必要な知識・スキルにとどまらず,社会人・有権者として備えるべき教養も含まれる。金融・ファイナンスにかかる基礎知識を応用すれば,1990年代以降,日本経済が低迷してきた背景・要因を浮かび上がらせることができる。豊かさで先進諸国から置き去りにされ,少し前まで新興国だった国・地域に追い抜かれる失態を続けることがないよう,次代の日本の担い手となる大学生に金融・ファイナンス基礎知識を十分に涵養させる教育の意義を議論する。