抄録
ミミズは,栄養塩の循環を促進し,団粒構造の形成を促進することで土壌の肥沃度を向上させるため,持続的な農
業生産を行う上で重要な生物群である.草生状態のカバークロップ栽培は温度湿度の変化が少なくなるため,ミミズ
の生息場所として好適になると考えられる.本研究では,日本海に近い横手市で天敵保護防除を行っている圃場で下草管理の異なるリンゴ園でミミズの生息密度の違いを調べた.カバークロップ区ではシロクローバー(Trifolium
repens L. ‘Grassland Huia’)の種子を播種した.対照区では,5 月下旬から9 月上旬の間は月に1 度乗用管理機を用い地上8cm で草刈りを行った. 調査は2011年と2014年の秋に行い,ミミズの生息密度と群集解析を行った.個体数,バイオマス,ミミズ群集ともカバークロップ栽培の影響が認められなかった.この要因として,調査地のミミズ群集が主に地中に生息する種だったこと,東北地方で土壌が高温にならなかったことが考えられた.