抄録
光化学オキシダント問題は国内で初めて認識されてから半世紀以上経った現在でも未解決の環境問題である。本稿ではまず,光化学オキシダントの主成分であるオゾンの基本的な生成メカニズムについて概説する。次に,オゾンの前駆物質である窒素酸化物と揮発性有機化合物の主要な測定技術を紹介するとともに,オゾンと前駆物質の関係性を議論する面からの,これらの測定法の問題点について述べる。最後に,オゾンの生成過程や消失過程をより直接的に評価するための新奇なアプローチである,実大気での反応速度の直接測定技術について紹介する。