日本の国土の2/3 を覆う森林が有する生態系サービスは森林の多面的機能と呼ばれ,その発揮と林業の持続的な発展が求められている。森林の10 種類の多面的機能を林相と林齢の関数としてモデル化したところ,林齢の大きな天然林で高い値を示す機能がある一方,人工林でも高い値を発揮する機能や伐採により増加する機能も認められた。結果をもとに多面的機能の戦後の変遷を予測したところ,拡大造林とその後の森林の成熟に伴って機能の大きな増減がみられた。シナリオ分析から,減産・現行下では若い森林で高い値を示す機能が将来的に減少を続け,増産下でも急傾斜地で伐採を抑制すると土砂崩壊リスクを低減できると予測された。