気候変動の原因は人間活動であり,その大部分が化石燃料の燃焼によるCO2 の排出である。パリ協定締結以降, 2021 年のグラスゴー気候合意でも国際社会では,気候目標を2℃ではなく1.5℃の上昇に抑えることが目指されている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC) の「1.5℃特別報告書(2018)」によれば,将来1.5℃を超えないようにするには「世界全体の人為起源のCO2 の正味排出量が, 2030 年までに,2010 年水準から約45%減少し, 2050 年前後に正味ゼロに達する」排出経路の必要性が示唆された。そのためには,石炭火力を先進国は2030 年までに全廃,途上国は2040 年までに全廃する必要があると,国連事務総長等により指摘されている。ここでは,気候変動対策として日本の石炭火力に対して市民がどのように活動を展開してきたのか,どんな成果があったのか,今後の展望について,気候変動問題に取り組む環境NGO「気候ネットワーク」の活動から考察してみたい。