抄録
中山間地域では,荒廃という現状をある程度受容しつつ,空間を管理する仕組みの維持を再考し,同心円的縮退や荒廃空間の周辺への波及など空間的特質,経済的合理性を超えた担い手の管理意志を踏まえた,農村撤退論に抗する文化的景観としての位置づけが必要である。都市近郊地域では,近隣市街地の都市的需要の染み出しが空間変容(産廃置き場・事業所・資材置き場)を引き起こすが,農村部の建設業化,貧困問題,反社会勢力の介入などの社会構造的要因と法制度・条例とその運用の限界性が指摘できる。関係人口や移住者等を含めた地域外人材を活用した,新たな価値観を伴うコミュニティ再形成,地域資源の活用による地域再生が求められる。