抄録
予想される将来の気候変動は,人間の健康に対して現在よりも悪い影響を及ぼす可能性が高い。日本では,極端な気候条件に脆弱な高齢者の人口増加が加わるため,個人と社会の両面からヘルスケアの問題に喫緊の対応が迫られている。本稿では健康分野のうち,暑熱・寒冷ストレスに起因する熱中症,循環器疾患,呼吸器疾患のアウトカムに絞り,著者の最新研究で得られた興味深い結果を中心に話題提供していく。特に,気候条件に気温,アウトカムには死亡数を用いた疫学分析と数値モデル・シミュレーションによるアプローチから,適応策の効果について考える。