抄録
気候変動の適応策として推進される流域治水の実践のため,あらゆるステークフォルダーも流域治水に対して共通認識を図るプロセス,および堤内で実践できる対策オプションを認知してもらうアプローチを踏まえて,オプションの系統化を図り,対策オプションのポテンシャル効果期待量を把握できる地図化した環境情報を開発した。本稿では,現状の数値地理情報で解読できる貯留のポテンシャル効果期待量を示す日本列島の空間レベルで地図化した結果を示した。今後,科学技術の進展によりデータ整備されれば,ステークフォルダー側からの流域と対策オプションの関係を俯瞰させる視点と思慮への効用が図れる環境情報の開発を進めることが見込まれる。